屋根葺き替え工事の谷板金取り付け工程

今回、複雑な形状をした入母屋住宅の屋根において、経年劣化の進行による雨漏りが発生していた状況を受け、葺き替え工事を行っています。

なお、屋根葺き替え工事は、既存屋根を撤去した後、野地板の増し張りや防水シートの敷設、瓦桟の取り付けなどを終え、使用する材料を搬入したところまでが完了しています。

この後は、瓦屋根の本体葺きを行っていきますが、その前に谷部へ谷板金を取り付けます。

今回の住宅は、下り棟や隅棟、風切丸、そして谷などが複雑に入り組んだ入母屋屋屋根となっています。

このような屋根は、接合部が非常に多く、その周辺に使用している板金部材や漆喰などが劣化で傷むと、雨漏りを引き起こすケースも少なくないので、十分な注意が必要です。

とくに谷部は、屋根の構造上、大量の雨水が集まってくることから、適切な雨仕舞処理をしておくことが重要なポイントとなります。

谷板金は、あらかじめ屋根下地に取り付けておいた桟木に釘で留め付けます。

谷板金をつなぎ合わせる場合は、その部分に捨てコーキングを打設し、一定程度重ねて取り付けることで、高い止水性を確保できます。

また、谷板金のジョイント部は、雨水のスムーズな排水を確保するため、必ず水上側が上になるように取り付けておくことも重要です。

谷板金どうしがV字にぶつかるところでは、両方の端部を立ち上げ、いっしょに折り曲げて加工します。

このような適切な加工処理を施すことで、漏水を防ぎ、谷板金を通じたスムーズな排水が可能となります。

また、今回の住宅では、谷から隅棟につながっていくような、複雑に入り組んでいる箇所などもありました。

今回は、谷板金の先端を山状に折り曲げ、その下に漆喰材を詰め込んで納めています。

こうすることで、隅棟部への雨水の流れ込みを和らげ、劣化を抑えることが可能となります。

谷板金の取り付けが完了したら、瓦屋根の本体葺きを行っていく工程です。

なお、瓦屋根本体葺きの様子は、次回のブログにて詳しくご紹介いたしますので、ぜひ引き続きご覧ください。

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