土浦市の風切丸復旧工事で南蛮漆喰「シルガード」を用いた施工

今回、土浦市の倉庫屋根で実施している風切丸復旧工事は、既存の崩れていた丸瓦とその下地となる葺き土を除去する作業までが完了しています。

この後は、再度風切丸を施工していく工程に入っていきます。風切丸の施工には、南蛮漆喰の「シルガード」という商品を用いて行なっていきます。

南蛮漆喰は、通常の漆喰よりも耐久性や防水性が高くなっているため、現在では漆喰工事で多く使用されています。

「漆喰」と「南蛮漆喰」の違い

「漆喰」は、消石灰にのりや繊維質を添加したものです。非常に歴史が長く、防火性が高いため古くはお城や神社仏閣に使用されていました。
「南蛮漆喰」は、消石灰にのりや山砂利など加えて作られています。消石灰を主原料にしている点は同じものの、南蛮漆喰にはシリコンや防水剤も使用されているのが特徴です。

そのため漆喰に比べて南蛮漆喰は、防水性や強度が高くなっています。
南蛮漆喰は葺き土の代わりとしても使用することができるため、以前は「漆喰」が使用されることが主流でしたが、2000年以降は「南蛮漆喰」の使用が主流となっています。

南蛮漆喰には、白色と黒色があります。主に棟の外側に使用されるのが白色、棟内部の見えない部分に使うのが黒色となっています。白でも黒でも機能における違いはありません。

風切丸施工で銅線緊結の仕込み

風切丸を施工していくにあたり、丸瓦を最終銅線緊結を行なうために、まずは銅線を仕込んでいきます。

桟瓦の一部を一旦取り外します。取り外す際に出た土やガラは綺麗に取り除き清掃します。

風切丸を施工する列の桟瓦を取り外しました。また、一部劣化した瓦の差し替えも同時に行なっています。

銅線は、野地板に打ち付けられている瓦桟（瓦の引っ掛かる部分）に取り付けていきます。
既存の風切丸では、葺き土だけで固定されていたので、経年劣化で崩れるリスクが高い状態でもあったと考えられます。

銅線の仕込みが完了したら、取り外していた桟瓦を葺き直していきます。南蛮漆喰「シルガード」を詰めて瓦の固定を行ないます。仕込んだ銅線はこの後、丸瓦へ繋げるために外へ出しておきます。

銅線の仕込みが完了しました。銅線緊結により瓦が落下するリスクは大幅に軽減されます。次回のブログで、最後の工程【丸瓦の施工】の様子をご紹介したいと思います。

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